ヨーロッパの18ヵ国に広がる94のブナの原生林が、「カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林」として世界遺産に登録されています。
約11,000年前の最後の氷河期を生き抜いたヨーロッパのブナは、アルプス、カルパティア山脈、ディナリデス山脈、地中海沿岸、ピレネー山脈など南部いくつかの地域から、数千年という短期間で北と西に広がり、最終的にはヨーロッパ大陸の大部分を覆うようになりました。その過程は今でも続いており、ブナは異なる気候や環境に適応し、さまざまな種の遺伝子との相互作用を経て、多様性の高い林群落を形成し続けています。海岸地域から森林限界まで、すべての標高帯の森林が世界遺産のエリアに含まれています。原生林にはIUCNのレッドリストに記載されているキンメフクロウも生息し、動物にとって大切な生息環境を提供しています。
ほぼ手つかずの状態の広大で多彩なブナ林は、氷河期以降の陸上生態系の進化と種の変異を理解する上で不可欠な存在となっています。
国名 / エリア | アルバニア / イタリア / ウクライナ / オーストリア / クロアチア / スイス / スペイン / スロバキア / スロベニア / チェコ / ドイツ / フランス / ブルガリア / ベルギー / ボスニア・ヘルツェゴビナ / ポーランド / ヨーロッパ / ルーマニア / 北マケドニア |
---|---|
登録年 | 2007 |
登録基準 | 自然遺産 (ix) |
備考 | Ancient and Primeval Beech Forests of the Carpathians and Other Regions of Europe(UNESCO) |