「北京の中軸線」は、歴史的都城の中心を南北に貫く都市構造で、その起源は元王朝(1271~1368年)が都・大都を築いた時代にさかのぼり、明(1368~1644年)や清(1636~1912年)の時代を通じて整備されてきました。
故宮や天壇、鐘楼・鼓楼などが一直線上に並び、古代中国の都城理念を具体化しています。その設計思想は、『考工記』に示された儒教思想を基盤とした左右対称と均衡の取れた都市計画の理想を反映しており、首都全体に秩序と調和をもたらしています。北京の中軸線は、皇帝権力と宇宙観を都市空間に表現した完成度の高い例であり、中国の王朝時代に確立された都市計画思想の発展を示す重要な証拠です。また、その理念は東アジア各地の都城設計にも影響を与え、現在も建造物や儀礼の伝統が受け継がれ、古代から続く文化的価値を今に伝えています。
| 国名 / エリア | アジア / 中華人民共和国 |
|---|---|
| 登録年 | 2024 |
| 登録基準 | 文化遺産 (iii) (iv) |
| 備考 | ■関連サイト Beijing Central Axis: A Building Ensemble Exhibiting the Ideal Order of the Chinese Capital(UNESCO) |
