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概要
古代ローマ時代から中世にかけて繁栄したフランスのプロヴァンス地方のアルルには、町のいたるところに古代劇場といった当時を偲ばせる遺跡が数多く残っています。
アルル、ローマ遺跡とロマネスク様式建造物群は、紀元前2~4世紀頃に建造された地下回廊や大浴場などの遺跡群と、中世の10~12世紀にかけて建てられたロマネスク期の教会などからなる世界遺産で、1981年に登録されました。
古代ローマの繁栄と中世のロマネスク様式の優雅さを同時に楽しむことができます。
特徴
ローマ遺跡の特徴
アルルの町の歴史は古く、紀元前6世紀頃にギリシア人によって築かれました。
その後、古代ローマによって紀元前123年に占領され、商業的拠点として繁栄してさまざまな建築物が建造されたのです。
現在もアルルには、円形闘技場やコンスタンティヌスの公衆浴場など多数の遺跡があり、フランスにおける古代ローマ時代の遺跡の宝庫といわれています。
ロマネスク建造物群の特徴
ロマネスク建造物群を語るうえでかかせないのが「アリスカン」です。古代ローマ時代に起源を持つ大墓地であり、アルル、ローマ遺跡とロマネスク様式建造物群の一部でもあります。
4世紀に入り斬首という形で殉教したアルルの聖人ジュネが葬られてから、歴代のアルルの大司教たちがアリスカン墓地に眠ることを望むようになったことで、多くのキリスト教徒たちもそれに続きました。
ロマネスク建造物群の代表は「サン=トロフィーム教会」ですが、もともとは敷地内にあったバジリカ式教会堂を改築したもの。11世紀から12世紀にかけて、アリスカンに眠っていた聖人トロフィムスの遺体を安置し直すために、大聖堂に改築されました。
ロマネスクは「ローマの」という意味があり、大きな特徴は分厚い壁と多数の小さな窓、ローマ風の半円アーチそして豪華な柱頭です。
見どころ
円形闘技場
アルルにある数ある遺跡の中で、もっとも有名なのは、紀元前90年頃に建造された円形闘技場です。直径は約136mで当時は2万5000人の収容が可能でした。
保存状態が良いのが特徴で、現在でもイベントなどに利用されています。
サン=トロフィーム教会
サン・トロフィーム聖堂は代表的なロマネスク聖堂で、聖堂にある回廊はプロヴァンス一美しいといわれています。正面扉口の上部には、緻密で優雅な彫刻が施されており、聖トロフィムスの姿を見ることができます。
ローマ遺跡とは違う趣を持つサン=トロフィーム教会は、遺跡群の中でもひときわ美しさを放っているのです。
国名 / エリア | フランス / ヨーロッパ |
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登録年 | 1981年 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iv) |
備考 | ■関連サイト Arles, Roman and Romanesque Monuments(UNESCO) |