アンコール

Angkor

概要

アンコール
Photo by Dennis Jarvis, on Flickr

アンコールとはカンボジアの北西部に位置する遺跡群です。
9世紀から15世紀にかけて600年以上にわたりクメール王国が繫栄しました。

1431年にシャム国によって滅ぼされてから数百年もの間、密林に埋もれていました。
19世紀後半になってフランス人学者アンリ・ムオーが密林の中から再発見され、その後、遺跡調査や修復活動が進み、1992年に世界遺産に登録されました。

特徴

アンコール
Angkor Wat by Michael Ranzau, on Flickr

シェムリアップを中心とした400㎢にわたる広大な地域に寺院、都市遺跡、貯水池など、600にもおよぶ遺跡が点在しています。

しかし自然の浸食や戦禍により荒廃が進み、崩壊の危機にあるので国際支援による保存・修復が求められています。

見どころ

アンコール・ワット

アンコール・ワット
Angkor Wat Aerial View by Mark Fischer, on Flickr

アンコール・ワットは世界最大級の石造りの寺院です。クメール王国の王が変わるたびに新しい都と王宮が建設されるなかで、1113年に即位したスーリヤヴァルマン2世がヒンドゥー教の世界観をもとに構成し、30年余をかけて建造されました。

約200haの広大な敷地の中には、高さ65mの本殿や幾何学的な大伽藍などがあり、数多くある彫刻の中でも「乳海撹拌(にゅうかいかくはん)」はとても有名です。

アンコール・ワットは国旗にも描かれるなど、カンボジアを象徴する遺跡となっています。

アンコール・トム

アンコール・トム
Entrance of Angkor Tom by Takashi Kamioka, on Flickr

アンコール・トムは12世紀後半にジャヤーヴァルマン7世により建築された城砦都市です。

城壁と濠に囲まれており、5つある門のうちのひとつの南大門に向かう橋には「乳海攪拌」をモチーフにした神々と悪魔が108体鎮座しており、巨大なヘビ(ナーガ)を抱えている姿は圧巻。

中央部には複雑な建築様式を備えた仏教遺跡「バイヨン」があります。
高さ2mに達するものもある「クメールの微笑み」と呼ばれる人面像が塔の四面に彫られており、荘厳な世界観を感じることができます。

タ・プロム

タ・プロム
Ruins of Ta Prohm by John Shedrick, on Flickr

12~13世紀にジャヤーヴァルマン7世が母親を弔うために建立した仏教寺院です。
建物を飲み込むように巨大なカジュマルの木の根が遺跡に絡みついている姿はとても神秘的。

発見された当時の姿のまま保存されていますが、樹木の浸食により遺跡の損傷が進んでいるのか、もはや今となっては樹木が遺跡の一部になっているのかという議論のある遺跡でもあります。映画『トゥームレイダー』のロケ地としても有名です。


国名 / エリア アジア / カンボジア
登録年 1992年
登録基準 文化遺産 (i) (ii) (iii) (iv)
備考 ■関連サイト
Angkor(UNESCO)

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