
アラブ首長国連邦東部、オマーン国境近くに広がる「アル・アインの文化遺産群」は、砂漠地帯における古代からの定住生活を物語る貴重な証拠です。新石器時代以来、人々が絶え間なく居住してきたこの地には、青銅器時代や鉄器時代に栄えた先史文化の遺構が数多く残されています。
紀元前2500年頃の円形石墓や集落跡、紀元前一千年紀に遡る古代の井戸や地下を通るアフラージュ灌漑システム、豊かなオアシス、さらに防御や生活、経済活動に用いられた日干し煉瓦建築などがその代表例です。これらはおよそ五千年にわたり農耕を支えてきた高度な建築技術と水利管理の知識を示すとともに、狩猟・遊牧社会から定住社会への転換を如実に伝えています。特にオアシスの景観は、厳しい砂漠環境の中で人々が持続的に水資源を利用し、緑豊かな肥沃地を築き上げた歴史を示す顕著な証拠として高く評価されています。
国名 / エリア | アジア / アラブ首長国連邦 |
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登録年 | 2011 |
登録基準 | 文化遺産 (iii) (iv) (v) |
備考 | ■関連サイト Cultural Sites of Al Ain (Hafit, Hili, Bidaa Bint Saud and Oases Areas)(UNESCO) |