オオカバマダラ生物圏保存地域

Monarch Butterfly Biosphere Reserve

オオカバマダラ

越冬のため北アメリカからメキシコまで旅する蝶、オオカバマダラ。数万匹の美しい姿を見られることや環境保護目的から、その移動先が2008年にオオカバマダラ生物圏保存地域として世界自然遺産に登録されました。

概要

黒とオレンジを基調とした、とても鮮やかな色の羽を持つ蝶である「オオカバマダラ」。オオカバマダラ蝶は主に北アメリカの北部から中部に生息しています。

毎年11月頃になると、オオカバマダラ蝶は越冬のために渡り鳥のように、北米各地から暖かさを求めてメキシコまで大移動します。オオカバマダラが大移動した地域の環境を守る必要があることから、メキシコ内に数か所あるそれらの場所は、オオカバマダラ生物圏保存地域として2008年に世界自然遺産に登録されました。

特徴

オオカバマダラ
Photo by Rafael Saldaña, on Flickr

北アメリカに生息するオオカバマダラは、毎年11月頃になると、越冬のために数千キロもの距離を群れで大移動します。主にメキシコのミチョアカン州、メキシコ州の森林に移動してきます。

森林に移動したオオカバマダラは、木の枝や幹にびっしりと張り付き、木が放つ熱で寒さをしのぎます。数万匹ものオオカバマダラが森林の中を埋め尽くします。ものすごい数なので、とまっている木の枝が垂れ下がってしまうほどです。

越冬の後、3月頃になると北へまた帰っていきます。一斉に旅立つその姿や羽ばたきの音など、それらの様子は圧巻です。

オオカバマダラには毒があります。羽の色を目立たせることによって、他の生き物に危険であることを知らせ、食べられることを防いでいます。蝶は寿命が短いものですが、このオオカバマダラはとても長生きです。長距離を移動する、鮮やかな色をした不思議な生態を持つオオカバマダラの姿を観察するために、毎年多くの人々がオオカバマダラ生物圏保存地域を訪れます。

移動する場所は数か所あり、その中で人々に公開されているところは、エル・カプリン、ラ・メサ、エル・ロサリオ、シエラ・チンクアの4か所です。バンガローやレストラン、見晴台など、オオカバマダラを見に行く人々にとっての便利な設備が用意されていて、徒歩や自転車、あるいは馬を借りて散歩しながら見学することができるようになっています。

世界遺産登録の経緯

数万匹のオオカバマダラが北アメリカからメキシコの各地域に大移動することで、それぞれの場所の森林は色鮮やかな景色に早変わりします。木漏れ日の中を一斉に舞う姿はとても美しく幻想的です。

この上なく素晴らしい生き物の神秘、美しさを感じることができる場所であること、また、移動先の地域の環境を保護する目的もかねて、2008年に、オオカバマダラ生物圏保存地域として世界自然遺産に登録されました。

見どころ

エル・ロサリオ

数ある地域の中でも最大規模であるエル・ロサリオは特に有名です。メキシコにやって来るオオカバマダラの約40~50%がエル・ロサリオに集まってきます。

入場料を払い、山道を上がってオオカバマダラのいるところまで行きます。入り口付近には土産物屋もあり、オオカバマダラを見た記念にいろいろなものを買うことができます。

国名 / エリア アメリカ大陸 / メキシコ
登録年 2008
登録基準 自然遺産 (vii)
備考 ■関連サイト
Monarch Butterfly Biosphere Reserve(UNESCO)

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