マロティ‐ドラケンスバーグ公園

Maloti-Drakensberg Park

「マロティ‐ドラケンスバーグ公園(Maloti-Drakensberg Park)」は、南アフリカ共和国とレソト王国にまたがる壮大な山岳地帯で、2000年にユネスコ世界遺産に登録されました。南アフリカ側はクワズール・ナタール州のドラケンスバーグ山脈、レソト側はマロティ山脈に位置し、標高2,000メートルを超える山々が連なる険しい地形は、切り立った崖や深い渓谷、滝、高山草原など多彩な自然景観に恵まれています。

この地域は、先史時代のサン人(ブッシュマン)による岩絵群が数多く残る文化的価値の高い場所でもあります。洞窟や岩陰には、動物や狩猟風景、儀式的な場面を描いた岩絵が3,000点以上確認されており、古代人の生活や精神世界を知る貴重な資料となっています。特にエルンストガルテンやフィンチ・ベイなどの岩絵群は保存状態が良く、訪れる人々は古代人の暮らしや信仰を垣間見ることができます。

自然面でも、公園は多様な生態系と希少な動植物の宝庫です。高山湿原や森、草原には固有種や絶滅危惧種が多く、猛禽類やカモシカなどの野生動物も生息しています。また、氷河期の影響を受けた地形や河川は、地域の水資源として重要な役割を果たしています。壮大な山並みと豊かな自然環境は、ハイキングやトレッキング、岩絵鑑賞などの観光活動の魅力となっています。

現在、南アフリカ共和国とレソト王国は、自然環境と文化遺産の保全に力を入れ、観光と保護の両立を図る管理を行っています。こうして守られた公園では、訪れる人々は美しい山岳景観の中で、数千年前の人類の生活や精神文化に触れる貴重な体験ができます。

総じて、マロティ‐ドラケンスバーグ公園は、壮大な自然と先史時代の文化が共存する世界的に価値の高い場所であり、自然の美しさと人類の歴史を同時に感じられる魅力あふれる遺産です。

国名 / エリア アフリカ / レソト / 南アフリカ
登録年 2000
登録基準 複合遺産 (i) (iii) (vii) (x)
備考 ■関連サイト
Maloti-Drakensberg Park(UNESCO)

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