タイ中部に位置する古代都市シーテープは、6世紀から10世紀にドヴァーラヴァティー文化が栄えた地域です。堀に囲まれた「内の町(ムアン・ナイ)」と「外の町(ムアン・ノック)」からなる双子都市構造の古代都市シーテープ、ドヴァーラヴァティー王国時代最大の遺構であるカオ・クラン・ノック遺跡、そして大乗仏教の洞窟寺院カオ・タモーラート洞窟遺跡の三つで構成されています。
シーテープでは100を超える僧院跡が確認され、ヒンドゥー美術を取り入れた独自のシーテープ美術が形成されました。双子都市の構造や、身体の動きを表現する三曲姿勢(トリバンガ)をとる立像が特徴的です。これらの遺跡群は、インド由来のヒンドゥー教や上座部・大乗仏教が融合した文化的・宗教的交流を示し、ドヴァーラヴァティー時代の都市計画、宗教建築、芸術の発展を今に伝えています。