「サウジアラビアのハイール地方のロック・アート」は、ハイール市の北西約90kmに位置するジュッバー、南に約250km 離れたシュウェイミスに残る岩絵群により構成されています。
ジュッバーでは、かつて淡水湖を見下ろしていた風景の中に暮らした人々の痕跡が、多数の岩面彫刻や碑文に残されています。シュウェイミスのものには、約一万年にわたる人類の水流のある谷での生活の歴史が表現されています。
完新世中期以降の砂漠化の進行は、この地域の生活環境と人間の定住のパターンを変化させました。こうした変化の様子もまた豊富な岩絵や碑文に表現されています。
簡素な石鎚を使って様々な技巧を凝らして描かれた創造性に優れた岩絵は、環境破壊により地形が変化していった過程を証明し、特にシュウェイミスの岩絵は、消滅した社会の様子を詳細にわたり現在に伝えるものです。こうした点が評価され、2015年に世界遺産に登録されました。
国名 / エリア | アジア / サウジアラビア |
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登録年 | 2015 |
登録基準 | 文化遺産 (i) (iii) |
備考 | Rock Art in the Hail Region of Saudi Arabia(UNESCO) |