シューシュタルの歴史的水利施設

Shushtar Historical Hydraulic System

イラン西部フーゼスターン州の都市シューシュタルにある世界遺産「シューシュタルの歴史的水利施設」は、3世紀に現在の形に完成され、今も現役で使用されている大規模水利システムです。前身となる施設の歴史は、紀元前5世紀のダリウス1世の時代にさかのぼります。

大規模な土木建設で山を下る川を迂回させ、運河を作成することにより、都市の給水、農業用灌漑、魚の養殖、工場、輸送、防衛など、広大な地域で水を多目的に使用できるようになりました。

中でも主要なギャルギャル運河は、半砂漠状態であった地域に新しい町の建設と広大な平野の灌漑を実現し、現在もシューシュタル市に水を供給しています。

シューシュタルの水利施設の建設にあたっては、エラム人とメソポタミア人、ナバテア人らの土木建設知識が集約され、さらにローマの技術者の影響も受けたといわれています。古代の水力工学を応用した完成度の高さに加え、技術的多様性に富んだ人間の創造的の結晶としての存在が、この施設に唯一無二の価値をもたらしています。さらにこの施設は、完成以来18世紀もの間、技術文化が自然環境や都市環境と調和しながら、人間社会の持続可能な発展に役立ってきたことを証明しています。

国名 / エリア アジア / イラン
登録年 2009
登録基準 文化遺産 (i) (ii) (v)
備考 Shushtar Historical Hydraulic System(UNESCO)

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