チャド北東部の超乾燥地域に広がるウニアンガ湖群は、年間降水量2mm未満という環境下にありながら、大小18の湖が恒常的に水を湛える特異な景観を成しています。かつて巨大な湖が広がっていた盆地に位置し、地下の帯水層と複雑な水文システムによって淡水が供給され続ける点が大きな特徴です。
湖水は化学組成の違いから青・緑・赤など多彩な色を示し、ナツメヤシや砂丘、壮大な砂岩地形とともにモザイク状の景観美を形づくっています。さらにウニャンガ・セリル湖群では湖面の約3分の1を覆うアシの浮遊植生が風に揺れ、色の異なる水面が波のように揺らめく独特の景観が広がります。こうした多様な色彩や湖の形状、周囲の砂漠地形が織りなす構図が、この地域ならではの印象的な自然美を形づくっています。
| 国名 / エリア | アフリカ / チャド |
|---|---|
| 登録年 | 2012 |
| 登録基準 | 自然遺産 (vii) |
| 備考 | ■関連サイト Lakes of Ounianga(UNESCO) |
