ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園

「ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園」は、カナダ・アルバータ州南西部とアメリカ合衆国・モンタナ州北西部にまたがって位置しています。この地域には、氷河によって形成された地形をはじめ、険しい山岳、深い谷、大草原など、多様な自然景観が広がっています。

公園内には、太平洋・大西洋・北極海という三つの異なる海洋へと流れ込む河川の源流が存在しており、それぞれが異なる生物群系を経由して海に至ります。この三大洋分水界は、生態学的・地理学的に重要であり、源流域間の植生の連続性が、それぞれの生態系の構造や多様性に影響を及ぼしています。さらに、東側では丘陵地帯を挟まずに大平原が山岳地帯に直接接しているため、草原・森林・山地・高山帯といった多様な植生が隣接しており、多様な生物群集や独自の生態系が見られます。加えて、太平洋側の湿潤な気候と内陸部の乾燥した気候が交差する立地条件により、この地域特有の植物群落や動物分布が発達しています。