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概要
スペインの南西、大西洋に浮かぶカナリア諸島で最大の島であるテネリフェ島。「大西洋のハワイ」といわれ、年間を通してスペインをはじめ、ヨーロッパ中からたくさんの観光客が訪れています。
東京都とほぼ同じ面積のこの島にテイデ国立公園があります。スペイン最高峰の火山、テイデ山を中心とした、総面積約190㎢の国立公園です。豊かな自然と、溶岩でできた神秘的で雄大な景観が人々を魅了しています。
テイデ国立公園は1954年に国立公園に指定され、2007年に世界自然遺産に登録されました。
世界遺産登録の経緯
テイデ国立公園内にある火山、テイデ山はスペインの最高峰でその高さは3,718m。海底から山頂までは7,500mにもなり、ハワイ島の2つの火山に続き、世界で3番目に高い火山です。1798年に噴火して以来、大きな火山活動は収まっています。
テイデ山ではおよそ15万年前から始まったとされる過去の度重なる火山活動の影響で、クレーターや成層火山など多様な火山地形が見られます。
中でも、ラス・カニャダスの断崖は、幅15kmにも及ぶ巨大なカルデラ。その壮大な地形は、噴火時の岩石と溶岩が生み出だしたものです。山肌の異なる色調や、立ち込める雲海と織りなして特徴的な景観を作り出しています。
また、島であり標高が高いという環境から、独特な進化を遂げた固有植物、希少な鳥類の宝庫にもなっています。
テイデ国立公園は地球史や海洋火山の形成過程を知る上で重要な場所であり、固有な自然環境、その特有の景観美が評価され、2007年に世界自然遺産に登録されました。
必見ポイント
ラス・カニャダスの断崖
ラス・カニャダスの断崖は、約15万年前の大規模な噴火によって形成された巨大なカルデラです。その大きさは東西に幅15kmにも及びます。テイデ山の標高2,000m付近で見ることができます。
地球上とは思えないような景観で、数々の映画やテレビコマーシャルなどの撮影地として使用されてきました。近年では映画「タイタンの戦い」とその続編「タイタンの逆襲」が撮影されました。
テイデ山頂からの景色
テイデ山は標高3,518mまではロープウェイで行くことができます。この山頂駅から200m登ると標高3,718m、テイデ山の頂上です。登るためには許可証の申請が必要です。
頂上からの眺めは壮大で、天気が良く、澄み渡っている時は、カナリア諸島の他の6つの島々を見ることができます。曇っている時でも、テイデ山の周りをとり囲む雲海の絶景を楽しむことができます。
特有の自然
岩肌の色
火山の岩や砂といえば、溶岩の「黒」や火山灰の「灰色」をイメージするかもしれませんが、ここでは赤、白、黄色、青緑色など20色もの岩や砂が見られます。
麓の町では、その天然色の砂を使用した巨大な砂絵アートを見ることができます。
エキウム・ウィルドプレッティ
テイデ国立公園では標高2,000mを超え、冬には乾燥し0度以下になる厳しい環境に適応した植物が見られます。エキウム・ウィルドプレッティはテイデ山を象徴する花です。現地名タヒナステ・ロホ、別名は「宝石の塔」といいます。ムラサキ科の植物で、大きなものは3m近くにもなります。よく見ると、小さな花が螺旋状に連なっているのがわかります。
テイデ天文台
テイデ天文台は標高3,718mのテイデ山頂にあります。世界3大観測スポットの一つで、スペイン、イギリス、ベルギー、フランス、ドイツが所有する太陽観測用や夜間観測用の望遠鏡を備えています。
ツアーに参加すると、この天文台やカナリア諸島の空についての説明が聞けて、天体観測についての知識が深まります。