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概要
タスマニア原生地域はオーストラリアのタスマニア島にある世界遺産です。
オーストラリア本土の南方海上に位置する島で、深い森に覆われた自然豊かな場所。
タスマニア島の40%は国立公園や自然保護区になっており、5つの国立公園と10個の保護区があります。
タスマニア原生地域の洞窟には先住民タスマニア・アボリジニの生活跡が残っていること、タスマニアデビルが生息するなど独自の自然環境があることが評価され、1982年に世界遺産に登録されました。
特徴
1億6000万年前頃に超大陸とよばれるゴンドワナ大陸からオーストラリア大陸が分裂。その後、氷河が解けたことによって、オーストラリア大陸の南にタスマニア島が現れました。
大陸から分離したことで、多くの生物が独自の進化を遂げたのです。
深い森にはシダやブナ、ユーカリ林など多くの植物が自生しており、中には樹齢2000年を超えるマキ科の古木もあります。
また内陸部に点在する峡谷で行われた考古学調査では、約3万年前の氷河期の人類(タスマニア・アボリジニ)の存在を証明する住居跡や石器・岩壁画なども発見されています。
見どころ
バサースト湾
海面が赤くなる現象として有名なのが赤潮。
主に植物性プランクトンが異常に増殖したことが原因で赤くなります。
バサ―スト湾も海面から2mほどが赤い水で覆われています。
バサースト湾が赤いのは、赤潮が発生しているから赤く見えるのではなく、流れ込む川の水そのものが赤いためです。
川の周囲には湿原があり、そこにはイネ科のボタングラスという植物が生えています。
この植物の茎や葉含まれるタンニンが雨によって土から川へと流れ出し、水中の酸素と反応して海が赤く見えるのです。
珍しい動物たち
タスマニアデビルやウォンバット、ワラビーのような有袋類。
哺乳類でありながら卵を産むカモノハシなど、タスマニア原生林には独自の進化を遂げた動物たちが数多く生息しています。
タスマニアデビルはオーストラリア大陸では絶滅していますが、このタスマニア島ではまだ絶滅せず生息しています。
タスマニア・アボリジニの遺跡
タスマニア・アボリジニは、氷河期にタスマニアに移り住み、19世紀にイギリス人の入植によって滅ぼされたといわれています。
彼らの失われた歴史はジャズ洞窟やバラウィン洞窟などに岩壁画として残されています。
なかでもジャズ洞窟にある岩壁画は、1万年前以上前に「ステンシル」とよばれる版画技法で描かれたような独特の岩絵が残っており、考古学的に重要な遺跡となっています。
国名 / エリア | オセアニア / オーストラリア |
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登録年 | 1982年 / 拡張年 1989年 |
登録基準 | 複合遺産 (iii) (iv) (vi) (vii) (viii) (ix) (x) |
備考 | ■関連サイト Tasmanian Wilderness(UNESCO) |