上都(ザナドゥ)の遺跡は、中国内モンゴル自治区に位置し、2012年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。上都は元朝時代の都城であり、特にモンゴル帝国の皇帝クビライ・ハーンによって築かれた夏の離宮として知られています。ここは13世紀から14世紀にかけて政治・文化の中心地の一つであり、東西文明が交差する重要な場所でした。
上都は、元の首都大都(現在の北京)とは異なり、広大な自然環境の中に設計された都市で、宮殿や官庁、居住区が計画的に配置されています。城壁や堀、運河などの防御・水利施設が整備され、都市計画の高度な技術を示しています。遺跡からは当時の壮大な建築の基礎や都市の骨格が明らかになっており、モンゴル帝国の政治力と文化融合の証拠となっています。
また、上都は東洋と西洋の文化が交流した場所であり、異なる文化や技術が融合した多様な遺物も発掘されています。歴史的に見ても、マルコ・ポーロがその美しさを称賛した「ザナドゥ」として世界的に知られ、詩人コールリッジの作品にも登場することで西洋文化にも影響を与えました。
上都(ザナドゥ)の遺跡は、モンゴル帝国の繁栄を物語る重要な歴史遺産であり、東西文化交流の象徴として世界的に価値が高い文化遺産です。その広大な遺跡群は、歴史と文化の深さを伝え、観光や学術研究の重要な拠点となっています。
国名 / エリア | アジア / 中華人民共和国 |
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登録年 | 2012 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iii) (iv) (vi) |
備考 | ■関連サイト Site of Xanadu(UNESCO) |