リドー運河

Rideau Canal

リドー運河とは

オタワロック
Rideau Canal locks by M Cheung, on Flickr

リドー運河とはカナダの首都であるオタワと、五大湖の一つであるオンタリオ湖の近くにあるキングストンを結ぶ、北米最古の運河です。

リドー運河は全長202kmもの長さがあり、ほとんどが自然の川や湖を使って作られています。190年前に運河として作られてから、現在までほとんど変わらずその姿を残し、今でもカナダ市民に愛されています。

190年前からの変わらぬ姿や自然の美しさが評価されて、2007年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

北米最古の運河

リドー運河
Rideau Canal by David Wilson, on Flickr

リドー運河はカナダとアメリカの国境近くを流れています。かつてイギリス植民地時代1826年~1832年の、今から約190年前に建設されました。

アメリカからの侵略を防ぐため、軍事目的の輸送ルートとして使われていましたが、戦争で一度も壊される事なく、建設当時のままの姿を今に残しています。

リドー運河は建設当時のままの姿を残すだけでなく、190年間今も昔も変わらず運河としての役割を果たしている北米最古の運河でもあります。

現在は運河として使われることはあまりなく、カヌーやクルージング、スケートリンクなどのレジャー施設として使われています。美しい景色と自然の森を楽しめることから地元の人や観光客の憩いの場として使われています。

リドー運河の特徴

リドー運河
Rideau Canal by Takashi Toyooka, on Flickr

リドー運河の全長は202kmにもなります。しかし202kmの内人口的に運河として舗装されたのは19kmのみで、残りは元々ある自然の川と湖を繋ぎ合わせてできたものです。

他の人口的な運河とは違い、真っ直ぐに舗装された水路ではなく、自然の地形を大いに生かした運河になっているのも特徴の一つです。

リドー運河のもう一つの特徴として、閘門またはロックと呼ばれる、運河の水位差をなくすため水路の間に船を上下に動かせる装置(堰(せき))が存在しています。

リドー運河沿いには47もの堰が今も現役で動いています。しかも、その全てがロックマスターと呼ばれる人たちにより手動で動かされています。

見どころ

地元の人や観光客から愛されるリドー運河は190年前から変わらない姿と、市民のレジャー施設としての新しい役割が入り混じる不思議な場所です。

オタワロック

オタワロック

中世の城のようなオタワ国会議事堂の横にはオタワロックと呼ばれる堰があります。運河の高低差は25mあり、船を上げるため8段の水の階段になっています。

その一段一段でロックマスターと呼ばれる人達が手動で船を上げていきます。船が堰を全て上りきるまでに、約1時間半から2時間くらいかかるそうです。

スケートリンク

リドー運河
Photo by Justin S. Campbell, on Flickr

オタワは北海道稚内の緯度と同等に位置し、カナダでも有数の寒冷地となっています。冬は昼間でも気温はマイナス10度前後になり、運河は氷に包まれます。

凍った運河は市民に無料で開放するスケートリンクになります。地元の人は通学や通勤にも使っています。世界最長としてギネスにも登録されており、リドー運河の冬の楽しみの一つになっています。


国名 / エリア アメリカ大陸 / カナダ
登録年 2007年
登録基準 文化遺産 (i) (iv)
備考 ■関連サイト
Rideau Canal(UNESCO)

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