泉州(せんしゅう)は、中国福建省に位置し、宋から元代(10世紀から14世紀)にかけてアジア最大級の海洋商業貿易センターとして栄えた都市です。2021年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
当時の泉州は東アジアと南アジア、中東、東アフリカを結ぶ海上シルクロードの重要な拠点であり、多様な文化・宗教が共存した国際的な港湾都市でした。貿易の繁栄により、異なる民族や宗教の商人が集まり、イスラム教、キリスト教、仏教、道教などの宗教施設が共存していることが特徴です。
泉州の都市構造や建築遺産は、当時の海洋貿易の繁栄を物語る歴史的証拠であり、多様な文化交流の証として保存されています。また、港湾の発展は宋代の経済成長に大きく寄与し、泉州は「東方の大都市」と称されました。
さらに、泉州の繁栄は中国の開放性と多文化共生の歴史を示しており、当時の商業・宗教・文化の交流の複雑なネットワークを理解するうえで重要な遺産です。こうした背景から、泉州は単なる港湾都市ではなく、東アジアと世界をつなぐ歴史的な橋渡し役として評価されています。
泉州は宋元時代の海洋商業と文化交流の中心地として、当時の多様な文化や宗教が融合し共存した貴重な歴史的都市であり、その価値が世界的に認められています。
国名 / エリア | アジア / 中華人民共和国 |
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登録年 | 2021 |
登録基準 | 文化遺産 (iv) |
備考 | ■関連サイト Quanzhou: Emporium of the World in Song-Yuan China(UNESCO) |