「プランタン-モレトゥスの家屋-工房-博物館複合体」は、ベルギー北部の都市アントワープにある、もとは16世紀半ばに開かれた印刷出版工房。ルネサンス、バロック期に誕生したものでは現存する世界で唯一の印刷工房および出版社で、現在は博物館となっています。
16世紀のアントワープは、ヴェネツィアやパリと並びヨーロッパの経済・文化の情報発信地として栄え、活版印刷技術が発達しました。クリストプ・プランタンがこの地に開いた印刷・出版所は、その精巧な技術の高評価を受けました。彼の跡を継いだヤン・モレトゥスが造本技術を向上させ、1876年まで約300年間、出版事業が稼働し続けました。
「プランタン-モレトゥスの家屋-工房-博物館複合体」は、印刷・出版を通しての科学と文化の発展への貢献、顕著な意義を有する思想や文学・芸術作品との関連性に加え、建物からはルネサンス、バロック、古典主義といったヨーロッパの歴史の重要な時期の人々の生活や仕事環境を見て取れる点も評価され、2005年に世界遺産に登録されました。
国名 / エリア | ベルギー / ヨーロッパ |
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登録年 | 2005 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iii) (iv) (vi) |
備考 | Plantin-Moretus House-Workshops-Museum Complex(UNESCO) |