ピサのドゥオモ広場

Piazza del Duomo, Pisa

ピサのドゥオモ広場
Photo by Marco Savastano on Unsplash

概要

ピサのドゥオモ広場があるピサは、フィレンツェの西側約85kmのところに位置するトスカーナ州の県都です。ドゥオモ広場は「奇跡の広場」とも呼ばれ、ピサの斜塔をはじめ大聖堂、洗礼堂、カンポサイト(納骨堂)で成り立っています。

歴史は紀元前にまでさかのぼり、ピサで誕生したガリレオ・ガリレイの「振り子の法則」と「落下の法則」は、この地で発見されたといわれています。歴史が長く、語るものが多いこのドゥオモ広場は1987年に世界遺産に登録されました。

歴史

ピサの歴史は紀元前にまでさかのぼり、ローマ帝国の支配下に置かれていました。ローマ帝国の衰退時には多くの都市は衰えてしまっていましたが、ピサは川の複雑さと防衛により影響は受けませんでした。順調に力をつけ、ピサは930年にトゥスキア(トスカーナ)の州都になりました。

11世紀にはイタリアの歴史的海洋国家のうちの1つになりさらに勢力を伸ばしました。この時期にピサはイスラム軍との戦いでパレルモを奪い、それの記念として大聖堂の建設が始まります。その後は、12世紀代にドゥオモ広場の他の建築物も建設され始め、200年もの歳月を経て完成しました。

第2次世界大戦時には爆撃は受けましたが、現在は工業の中心地、そして鉄道のハブ地となっています。

世界遺産登録の経緯

ピサのドゥオモ広場が世界遺産に登録された理由の1つ目に、4つの建築物の空間的デザインが独特であることが挙げられます。ブロンズやモザイクを用いた大聖堂の扉、洗礼堂内の説教壇、カンポサントのフレスコ画が主な例です。

また、広場の建築物が歴史的に2度にわたり建築と芸術に影響を与えたことも評価されました。11世紀から13世紀にかけてのピサの繁栄時には、多彩建築と柱廊の使用が確立され、これらを用いた大聖堂が初めて確認されたのはトスカーナ地方とピサの海岸沿いの領域でした。14世紀になると、トスカーナ地方の大半の建築はジョヴァンニ・ピサーノ(ピサ大聖堂の説教壇を制作した)の壮大なスタイルの影響を受け、トレチェントと呼ばれる芸術の時代になりました。

そして、ガリレオ・ガリレイが証明した「振り子の法則」と「落下の法則」も世界遺産に登録された理由の1つとなっています。1つ目の法則はガリレオが大聖堂を訪れた際、天井から吊り下げられていたランプを見て、また2つ目の落下の法則は、斜塔でガリレオが行った鉄球の実験で証明されました。これらの科学的発見は深く歴史に刻まれることになりました。

必見ポイント

ピサドゥオモ広場には斜塔はもちろんですが斜塔以外にも大聖堂、洗礼堂、墓所と見どころがあります。

ピサの斜塔

ピサの斜塔
Photo by Ray Harrington on Unsplash

ピサの斜塔は鐘楼として、大聖堂に付随して建てられました。1173年に建設が始まり、100m以上もの高さが目指されていましたが、1185年から南に傾き始めてしまった結果、当初の半分ほどの高さでの完成となります。傾きが確認されてから工事は一時中断を余儀なくされましたが、再開後は中心をずらすことにより完成が目指され、最終的には、14世紀の半ばに高さ約55m、8層構造で完成しました。

近年、斜塔の傾きが進んでしまったことにより、1990年から10年間にわたり大規模な補修工事が行われました。斜塔の傾きは1350年では中心から1.8m、現在では約4m傾いているとされていますが、補修工事後、2018年には4㎝傾きが改善されたと発表されています。

多くの観光客が、ピサの斜塔での記念撮影でおもしろいポーズをとり楽しんでいます。ユニークなポーズで記念に写真に残すのも良いかもしれません。

大聖堂(ドゥオモ)

ピサの大聖堂

幅約30m奥行約100mあるピサ大聖堂は、主にロマネスク様式が用いられていますが、ところどころローマ時代や東ローマ帝国時代のビザンツ文化からの影響も受けたとされています。ピサは11世紀に、トスカーナ地方でルッカやフィレンツェと共に勢力を増していました。

この大聖堂がつくられたきっかけは、アラブ勢力との争い「パレルモ沖海戦」での勝利によるもので、1063年から建設が開始されました。ギリシア人ブルスケットが設計と指導をし、建物の正面(ファザード)はライナールドによりデザインされました。

大聖堂は十字架型になっていて、身廊(入口から祭壇まで)とそれに交差する翼廊の部分はドームになっています。ファサードや大聖堂の外側は色の異なる大理石が使われています。身廊には絵画や像で飾られ、側廊には聖人へ捧げる祭室もあります。後陣に描かれているモザイクは13世紀に制作されたフレスコ画「王座のキリスト」であり、その存在感に圧倒されます。

洗礼堂

洗礼堂

1152 年から 1363 年にかけて建てられた洗礼堂は大聖堂の西側に位置し、直径約35m、高さ54.85mあります。白大理石が使われ、下は列柱とアーチが用いられロマネスク様式、上部には尖塔があるゴシック様式とされています。

洗礼堂内は音響効果で有名で、30分に1度係りの方による実演があり、その効果が確認できます。洗礼堂の2階へもアクセス可能で、2階からは斜塔とそれほど変わらない高さからドゥオモ広場の全景を見ることができます。

墓所(カンポサント)

墓所(カンポサント)
Photo by Yeswanth Mohana Velu on Unsplash

ドゥオモ広場の北側には、13世紀後半から14世紀にかけて建てられた墓所(カンポサント)があります。アーチが連続する白大理石の回廊の内側には、美しい緑の中庭も確認できます。回廊の壁には以前、14世紀に描かれたフレスコ画が飾られていましたが、第2次世界大戦の空襲で焼失してしまいました。


国名 / エリア イタリア / ヨーロッパ
登録年 1987年
登録基準 文化遺産 (i) (ii) (iv) (vi)
備考 ■関連サイト
Piazza del Duomo, Pisa(UNESCO)

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