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小笠原諸島の概要
小笠原諸島は、東京から南におよそ1000km、亜熱帯の海に浮かぶ30ほどの島々で構成されています。世界遺産に登録されているのは、次のエリア。
- 聟島列島
- 父島列島
- 母島列島
- 火山(硫黄)列島の北硫黄島・南硫黄島・西之島
このうち、父島と母島は有人島であり、集落のある地域は世界遺産の区域から除外されています。
小笠原諸島へは、6日に1本程度運行している定期船のみでアクセスできます。旅の起点となるのは、東京の竹芝桟橋。そこから父島までは、定期船「おがさわら丸」で約25時間かかります。父島と母島は、定期船「ははじま丸」が結んでおり、その所要時間は約2時間です。
世界遺産に登録された理由
小笠原諸島が世界自然遺産に登録された理由は、その豊かな生態系にあります。そもそも、島は、大陸から分離してできた「大陸島」と大陸と陸続きになったことのない「海洋島」に大きく分類することができるのですが、小笠原諸島は後者の「海洋島」にあたります。
誕生からこれまでに一度も大陸と地続きになったことのない小笠原諸島では、生物がそれぞれ独自の進化を遂げ、世界中でそこにしかいない「固有種」が数多く生まれました。たとえば、小笠原諸島にすむカタツムリの仲間のうち90%以上、約100種が固有種なのだとか。また、小笠原諸島には固有種の植物や昆虫類もたくさん見られます。
このように、小笠原諸島は、ほかの場所では見られない生態系が見られることが評価され、2011年に世界自然遺産に登録されました。
小笠原諸島の形成と歴史
小笠原諸島は、数千万年前、プレートの沈み込みにともなう海底の火山活動によって生まれたと考えられています。小笠原諸島が発見されたのは今から400~500年前ごろ。一説によると、発見者は安土桃山時代の武将・小笠原貞頼で、それが「小笠原諸島」という名前の由来ではないかと伝えられています。
江戸時代以降、開拓が始まり、移住者も増えていった小笠原諸島。しかし、第二次世界大戦の際、父島と母島は空襲にあい、硫黄島も激しい戦場となりました。小笠原諸島の大自然の中には、現在も当時の大砲や防空壕など、戦争の爪痕が残っています。終戦後、小笠原諸島はアメリカ軍の統治下におかれ、1968年に日本に返還されました。
小笠原諸島での必見ポイント
海洋島ならではの豊かな生態系
小笠原諸島で絶対に外せないポイントは、豊かな生態系です。小笠原諸島は、ほかの土地では見られない固有種の宝庫。地面の上にタコの足のように伸びた根が特徴的な「タコノキ」、絶滅危惧種にもなっている「アカガシラカラスバト」、透明なからだをもつカタツムリ「オガサワラオカモノアラガイ」など、小笠原諸島固有の動植物をぜひ見つけてみてください。
小笠原諸島の森で豊かな自然を満喫するなら、ガイドツアーへの参加がおすすめ。動植物に詳しいガイドの方の説明を聞くことで、森歩きをさらに楽しむことができるでしょう。
「ボニンブルー」の愛称で親しまれる海
「ボニンブルー」とよばれる小笠原諸島の海は、透明度が高く、濃い青色が特徴です。「ボニン」とは、小笠原諸島が発見当時呼ばれていた「無人(ブニン)島」の「ブニン」がなまったものが語源。この美しい海をのんびりと眺めるのも良いですし、ダイビングやシュノーケリングを楽しむのも良いでしょう。また、現地ツアーに参加すれば、ホエールウォッチングやドルフィンスイムなどを楽しむこともできます。
1日100人限定!天然記念物の島「南島」
父島列島の南島は、島全体が天然記念物になっており、周囲の海も世界遺産区域となっている、小笠原諸島の必見スポット。島では、美しい景色や1000年ほど前に絶滅した「ヒロベソカタマイマイ」の殻を見ることができます。
なお、南島に上陸できる人数には制限があり、1日100人までと決められています。上陸には、父島からのガイドツアーへの参加が必須です。