「ニア国立公園の洞窟群の考古遺跡」は、マレーシアのボルネオ島西岸に位置し、人類と熱帯雨林との関わりを最も長く記録する考古遺跡として知られています。石灰岩の巨大な岩山に広がる洞窟群には、壁画や舟形の棺などが残され、約5万年前から中期完新世にかけての人類の生活の変遷を伝えています。
この遺産では、採集生活から稲作や樹木栽培、根菜栽培へと移行する過程が確認され、人類が熱帯雨林環境にどのように適応し発展してきたかを示す貴重な証拠が見つかっています。また、洞窟からは森林での生活や植栽文化、精巧な葬送儀礼を行っていた先史人類の痕跡も発見されており、人類の文化的適応や拡散の過程を理解する上で極めて重要です。ニアの洞窟群は、東南アジアにおける初期人類の定住と土地利用、そして変化する環境との共存の歴史を示す顕著な例となっています。
国名 / エリア | アジア / マレーシア |
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登録年 | 2024 |
登録基準 | 文化遺産 (iii) (v) |
備考 | ■関連サイト The Archaeological Heritage of Niah National Park’s Caves Complex Description Maps Documents Gallery Indicators(UNESCO) |