ラオス北部シェンクワン県、首都ビエンチャンから北東約300キロメートルの高原地帯に広がる「ジャール平原の巨大石壺遺跡群」は、鉄器時代の葬送儀式に用いられた2,100基以上の筒状巨石壺にちなんで名づけられた遺跡群です。1,325基の彫刻石壺を中心に、二次埋葬跡や蓋と考えられるもの石円盤、墓標、採石場、製造跡、副葬品などが含まれます。
丘陵斜面や尾根に設置された石壺は精巧に作られ、採石から運搬・設置に至るまで高度な技術が用いられました。これらの遺構は、紀元前500年から紀元後500年頃にかけて栄えた鉄器時代文明の存在を示し、社会構造や葬送文化の一端を伝えています。さらにこの地は、ムン・メコン圏と紅河・トンキン湾圏を結ぶ文化・交易の交差点に位置し、石壺群の分布は当時の交通網との関連を示唆しています。鉄器時代の人々の精神文化と社会的営みを今に伝える貴重な遺産です。
| 国名 / エリア | アジア / ラオス |
|---|---|
| 登録年 | 2019 |
| 登録基準 | 文化遺産 (iii) |
| 備考 | ■関連サイト Megalithic Jar Sites in Xiengkhuang – Plain of Jars(UNESCO) |
