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奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の概要
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」は、日本の九州南端から約1200㎞にわたり点在する琉球列島の一部で、登録地域の面積は4万2698ha(ヘクタール)あります。
亜熱帯地域でありながら、黒潮やモンスーンの影響で降水量が多い亜熱帯性常緑広葉樹林が広がる特徴的な地域です。マングローブ林など美しい自然と固有の生態系から、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」は、2021年ユネスコの世界自然遺産に登録されました。
世界遺産登録の経緯
奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島は、日本の南端に位置する琉球列島の一部で、奄美大島、徳之島、沖縄島北部は中琉球、西表島は南琉球にあたります。日本国土全体の面積からは0.5%にも満たない面積でありながら、多くの生物種をもつ他、絶滅危惧種が多く生息する、生物にとって貴重な地域です。
奄美大島は、島の大部分が森林で覆われており年間3000ミリ以上の雨が降ります。亜熱帯性常緑広葉樹林やシダ類などが多くを占め、マングローブ林が広がります。日本本土では絶滅した、アマミノクロウサギや、アマミノトゲネズミなどが、環境の変化に対応し進化して生息しています。
徳之島でも亜熱帯性常緑広葉樹が多く占める原生林が広がり、アマミノクロウサギやトクノシマトゲネズミ、オビトカゲモドキ、トクノシマエビネなど、貴重な生物が生息しています。
沖縄島北部は、約80%が森林におおわれている亜熱帯多雨林で、ヤンバルクイナ、ノグチゲラ、オキナワトゲネズミなどが生息しています。
西表島は、島の90%が亜熱帯の原生林に覆われており、約40の川があります。それらの多くの河口にはマングローブ林が広がり、日本全体のマングローブ林の25%の面積を持つ仲間川(なかまがわ)流域のマングローブ林などもあります。肉食獣のイリオモテヤマネコが生息しているほか、カンムリハシ、アカヒゲ、セマルハコガメなども生息しています。
奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島は、2021年、生物多様性の保全にとって重要かつ意義深いこと、そして、すぐれて普遍的価値を持ち、絶滅の恐れのある種の出生地が含まれているとして、ユネスコの世界自然遺産に登録されました。
観光のポイント
徳之島
徳之島は南西諸島の奄美群島に属する離島の一つで、約500年の歴史をもつ闘牛や長寿が有名です。サンゴ礁の浸食でできた珍しい海岸線や奇石を望むことが出来るほか、海の中にはウミガメや熱帯魚の姿を見つけられます。
南国ムード漂う「ソテツトンネル」を超えた先にある金見崎展望所では、東シナ海と太平洋を同時に見ることが出来るなど、多くの自然を味わえます。
西表島
西表島は石垣島の西側に位置し、八重山諸島の一つに数えられており、沖縄本島に次いで2番目に大きな島です。「東洋のガラパコス」ともいわれカヌーやトレッキング、シュノーケリングも楽しめます。
石垣島と西表島の間の海域では、日本最大規模のサンゴ礁があります。星の形をした砂がビーチにある「星砂の浜」のほか、秘境のイダの浜もあり、海の透明度はきわめて高く、美しいです。ウミガメの産卵地として有名な浜や、水牛車、ブーゲンビリアガーデンなど見どころも多く魅力あふれる島です。
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国名 / エリア | アジア / 日本 |
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登録年 | 2021 |
登録基準 | 自然遺産 (x) |
備考 | ■関連サイト Amami-Oshima Island, Tokunoshima Island, Northern part of Okinawa Island, and Iriomote Island(UNESCO) |