「モンゴル・アルタイ山系の岩絵群」は、モンゴル北西部から中南部に位置する山脈の3遺跡にて発見された、岩石を彫って描かれた岩絵(ペトログリフ)の集合体です。3遺跡には、いずれも更新世の氷河により切り開かれた高山の谷間に見られ、数千点におよぶ岩石への彫刻(ペトログリフ)や儀式に使われたモニュメントが集中しており、約12000年にわたる人類文化の発展を示す、最も完全で保存状態の良い視覚的記録を提供しています。
最も初期の岩石彫刻は更新世後期から完新世前期 (約11,000-6,000年前) のもので、古環境の乾燥した草原に森林が生まれ、マンモスなど大型の野生動物の狩猟が始まったことが見て取れます。完新世中期 (約6,000-4,000年前) の彫刻からは、集落の経済的基盤としての牧畜が始まったことがうかがえます。完新世後期のものは、スキタイ時代 (紀元前1,000年ごろ) に狩猟から馬に依存した遊牧へ生活基盤が移行したさまや、その後のテュルク時代 (7-9 世紀) における草原国家の拡大を示唆しています。
国名 / エリア | アジア / モンゴル |
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登録年 | 2011 |
登録基準 | 文化遺産 (iii) |
備考 | Petroglyphic Complexes of the Mongolian Altai(UNESCO) |