澄江の化石産地は、中国雲南省澄江市周辺に位置し、2012年にユネスコの世界自然遺産に登録された重要な化石遺跡です。この地域は、約5億年前のカンブリア紀にあたる地層が豊富に露出しており、地球上で最も初期の多細胞生物の多様な化石が数多く発見されています。
澄江の化石は「澄江生物群」と呼ばれ、その保存状態の良さと多様性の高さで世界的に注目されています。特に、軟体部分まで鮮明に残る化石が多く、初期の動物進化を研究する上で極めて貴重な資料となっています。この化石群は、生物の進化過程や古環境の理解に大きな貢献をしており、「カンブリア爆発」と呼ばれる動物多様化の劇的な拡大を解明する鍵とされています。
また、澄江の化石産地は地質学的にも重要で、古生代の海洋環境や地球の気候変動を示す記録としても価値があります。保護区内には多様な地形や生態系も残されており、自然環境の保全も進められています。
澄江の化石産地は、地球生命の起源と進化を理解するための世界有数の化石資源であり、科学的価値が極めて高い世界自然遺産です。研究と保護が継続されることで、地球史の謎を解き明かす重要な場所として今後も注目され続けるでしょう。
国名 / エリア | アジア / 中華人民共和国 |
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登録年 | 2012 |
登録基準 | 自然遺産 (viii) |
備考 | ■関連サイト Chengjiang Fossil Site(UNESCO) |