ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティ

「ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティ」は、北イタリアの山々に位置する９つの宗教施設で構成されています。16世紀から17世紀にかけて建てられたこれらの施設には、キリスト教信仰のさまざまな側面に関連した礼拝堂や教会などの建築物が含まれています。

サクリ・モンティとは、「聖なる山々」という意味。15世紀から16世紀にかけて、エルサレムやパレスチナといった聖地に代わるヨーロッパの祈りの場をつくることを目的として始まった現象です。ピエモンテとロンバルディア地方において当時最も著名であった芸術家たちが、イエス、マリア、聖人の生涯の啓発的なエピソードを表わす絵画や彫刻を制作し、卓越した芸術遺産を形成しました。 北イタリアのサクリ・モンティは、ローマカトリック教会史上重要な時期に、教育的および精神的な目的で建築と宗教芸術を自然の風景に巧みに取り入れた卓越した証拠です。その傑出した表現は、その後のヨーロッパ各地における同様の現象に大きな影響を与えました。