クレスピ・ダッダ

イタリア北西部、ロンパルディア州を流れるアッダ川沿いに位置するクレスピ・ダッダは、繊維工場の労働者のための理想郷として、19世紀末に企業家クレスピにより設立された町。従業員には庭付き住宅のほか、診療所、消費者協同組合、学校、劇場、スポーツ施設、病院、教会、水力発電による無料の電気供給など、先駆的なコミュニティ・サービスが提供され、高い生活水準が保たれました。工場はすでに閉鎖されましたが、一部の住宅には現在も当時の労働者の子孫が暮らしています。

クレスピ・ダッダは、19世紀から20世紀初頭にかけてヨーロッパや北米で見られた「企業城下町」の顕著な例であり、町には啓蒙主義の産業家たちの従業員に対する哲学が反映されています。