エヴァグレーズ国立公園

エヴァグレーズ国立公園の概要

エヴァグレーズ国立公園とはフロリダ半島の最南端にある湿原地帯で、そのうち20％が国立公園として指定されています。多様な野生の生物や植物が生息しており1979年に世界自然遺産に登録されました。敷地の面積は6,105㎢で、四国の1.5倍の広さです。この公園は湿地だけではなく、沼地、草原、マングローブで形成されており、非常に珍しい環境です。

さらに熱帯・亜熱帯・温帯と3つの気候体が混ざり合っている上、海と川に隣接していることから陸生・河口・海洋の生息地が収束しているため、様々な生態系が存在しています。環境汚染やハリケーンの影響により、「危機に晒されている世界遺産」として1993年に危機遺産に指定されました。そこから自然の再生事業が進み2007年に危機遺産指定を解除されましたが、水生生物の生態系の悪化が深刻で、継続的に起こっていることにより2010年に再び指定されました。

歴史

1850年ごろからエヴァグレーズのある南フロリダは、開発が盛んとなります。1900年代の初頭に、開拓者らが湿地の開拓を行うために、湿地帯の排水を進め宅地や農地を作るためのプロジェクトを進めたことなどにより、水質の悪化が起こり生態系や生物に深刻なダメージを与えました。

これらの問題を解決するため、初期の自然保護論者や科学者など多くの人々の支援を受け、自然の保護や動物・植物の保護が進められました。その後、エヴァグレーズは1947年に国立公園として設立され、1987年には貴重な湿地の生態系を有しているために、ラムサール条約の登録地として選定されました。

1992年にフロリダを襲ったハリケーン「アンドリュー」によって甚大な被害を受け、翌1993年に危機遺産に指定されました。2007年に復元および保存に向けた取り組みが評価され危機遺産登録から解除されました。しかし、気候変動や海面上昇など問題や水生生物の生態系の悪化が深刻であり、長期的に復元することが不十分であるとされ、2010年に危機遺産へ再登録されました。

見どころ

エヴァグレーズ国立公園には4つのビジターセンターがあります。

アーネスト F. コー・ビジター・センター（Ernest F. Coe Visitor Center）

アーネスト F. コー・ビジター・センターは公園の中心となっており、エヴァグレーズに関する展示があり、存在する動植物や地質などの自然や歴史、公園が抱えている問題などを分かりやすく学べるスペースがあります。書店もあり書籍やポストカード、虫除けなどを購入することが出来ます。観光する前に見学することで、より一層楽しめます。

フラミンゴ・ビジター・センター（Flamingo Visitor Center）

フラミンゴ・ビジター・センターのある最南端は、野生のフラミンゴが多く生息しているエリアです。キャンプ場やフードトラック、売店があります。バックカントリーボートツアーや、エヴァグレーズ国立公園の歴史を学べるボートツアーを楽しむことが出来ます。他にもカヤックやカヌー、自転車のレンタルができます。事前予約が必要ですが、エコテントを借りることもできます。

シャーク・バレー・ビジター・センター（Shark Valley Visitor Center）

ここではガイド付きのトラムツアーを体験することが出来ます。他にもウォーキングトレイルを楽しんだり、自転車をレンタルしたり、ギフトショップで買い物を楽しむことができます。エヴァグレーズらしい広大な湿地で、広葉樹のハンモックが存在し、多くの生に出会える場所です。

ガルフ・コースト・ビジター・センター（Gulf Coast Visitor Center）

ガルフ・コースト・ビジター・センターではエヴァグレーズ国立公園の西端に位置するビジター・センター。テン・サウザンド諸島を探索するための玄関口です。こちらでは、レンジャーガイド付きのエキサイティングなツアーを多く提供しています。