ボリビア南部アンデス高地、標高約4,000メートルに位置するポトシは、16世紀に新大陸最大の銀鉱脈が発見されたことで急速に繁栄し、「帝国都市」と称される存在となりました。ここで産出された莫大な銀はセビリアへ運ばれ、スペイン貨幣の氾濫を引き起こし、16世紀世界経済の構造を大きく変革しました。
鉱山から王立造幣局へ至る一連の生産体系は現在も保存されており、22の貯水池と140基の製粉所による精錬施設、水銀を用いたパティオ法といった革新的な技術が高度な鉱業を物語ります。また、人工河川によって隔てられたスペイン人居住区と先住民労働者の居住区は、当時の社会構造を如実に示しています。さらに、カテドラルや教会群、王立造幣局をはじめとする壮麗な建造物は、インディオ的要素を取り入れた独自の「アンデス・バロック様式」として発展し、地域の建築や美術に長期的な影響を与えました。ポトシ市街は近世銀山の代表例であり、世界経済史における重要な転換点を物語る都市として高く評価されています。
国名 / エリア | アメリカ大陸 / ボリビア |
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登録年 | 1987 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iv) (vi) |
備考 | ■関連サイト City of Potosí(UNESCO) |