ブラジリアは、ブラジル中西部に1956年から1960年にかけて建設された近代的な新首都で、20世紀モダニズム都市計画の象徴的な例です。都市設計はルシオ・コスタ、建築はオスカー・ニーマイヤーが担当しました。
上空から見るとジェット機の翼の形をしている都市は、東西のモニュメンタル軸と南北の交通軸に沿って構成され、政治・行政機能と市民生活が明確に区分されています。国会議事堂や大聖堂などの建築群は、モダニズム建築の理念を体現しつつ、周囲の風景と調和しています。また、住宅区域には「スーパーブロック」と呼ばれる6階建て集合住宅が整備され、公共空間や緑地が一体化した生活環境が実現されています。ブラジリアは、国家の発展戦略と文化的自己表現を象徴する、人類の創造性の結晶と評されています。