グリーンランドの中世部、北極圏に位置する「アシヴィスイットーニピサット、氷と海の間のイヌイットの猟場」は、4200 年にわたる人類の歴史を伝える世界遺産です。
この地域に暮らしてきたイヌイットの人々は、アシヴィスイットからニピサットまで、約235kmにも及ぶ距離を季節ごとに移動し、陸と海の動物の狩猟をしながら暮らしてきました。氷冠に近い東のアシヴィスイット周辺は、15世紀から19世紀の夏の野営地であり、この地域からはサカク文化(紀元前2500年頃~前800年頃)のパレオ・イヌイットの遺物も見つかっています。デーヴィス海峡に面する西のニピサット島は冬の居住地で、サカク文化から13世紀から16世紀頃のチューレ文化、さらにそれ以降のイヌイット文化の痕跡が見られます。
アシヴィスイットと二ピサットを含む計7つの地域が世界遺産の登録対象となっており、中には現在も狩猟・漁撈で生計を立てる定住者がいる集落もあります。冬用の住宅の遺構やカリブー(トナカイ)狩りの痕跡のほか、気候、航海、医学に関連した豊かで保存状態の良い有形文化遺産や無形遺産から、ダイナミックな自然景観の中、数千年にわたる文化と自然の相互作用を通じ、有機的に進化し継続する文化的景観が育まれてきたことがわかります。
国名 / エリア | デンマーク / ヨーロッパ |
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登録年 | 2018 |
登録基準 | 文化遺産 (v) |
備考 | Aasivissuit – Nipisat. Inuit Hunting Ground between Ice and Sea(UNESCO) |