チリ中部の太平洋岸に位置する「バルパライーソの海港都市の歴史的街並み」は、19世紀後半から20世紀初頭にかけての国際海上交易の黄金期を物語る、産業時代の優れた遺産です。
バルパライーソは、マゼラン海峡を経由して大西洋と太平洋を結ぶ南米太平洋岸の主要港として、1880年代から1914年のパナマ運河開通まで、地域に大きな商業的影響を与えました。港と急峻な丘陵に囲まれた特異な地形に対応するかたちで都市は発展し、19世紀の技術と創意に富んだインフラや建築群が、独自で多様性に富んだ都市景観を形成しました。ラ・マトリス教会、商業の中心地であるエチャウレン広場、記念的建造物が並ぶプラット通り、そして移民文化の影響が色濃く残るアレグレとコンセプシオンの丘など、歴史的な建築と街並みが各所に点在しています。世界各地から集まった人々と文化が織りなした都市構造と多文化的景観は、他のラテンアメリカ都市とは一線を画し、19世紀末におけるグローバル化の初期段階を今に伝える貴重な遺産となっています。
国名 / エリア | アメリカ大陸 / チリ |
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登録年 | 2003 |
登録基準 | 文化遺産 (iii) |
備考 | ■関連サイト Historic Quarter of the Seaport City of Valparaíso(UNESCO) |