ベルン旧市街は、スイス連邦の首都ベルンにある中世ヨーロッパの雰囲気が残る美しい街並みです。1191年アーレ川沿いに、ベルトルト・フォン・ツェーリンゲンによって造られました。赤茶色の瓦屋根や石造りの家々、長いアーケードなど中世の様子を残しながらも現在の機能性を持ち合わせます。大聖堂や時計塔、スイス連邦議事堂、数多くの噴水等見どころも多く、1983年ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
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概要
ベルン旧市街は、スイス連邦中西部にある首都ベルンに位置し、1191年ベルトルト・フォン・ツェーリンゲンにより造られた城壁が起源となっています。街の名前は熊に由来し、市の紋章にも熊が用いられています。アーレ川を砦としU字型の丘上に造られ、残る一方に城壁や時計塔が築かれました。街並みは美しく、かつてゲーテに「これほど美しい町を他に見たことがない」と言われたそうです。
ベルン旧市街は、1218年にベルヒトルト5世が亡くなった後、神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世に自由都市の特許を得て文化や政治を中心に発展。1405年に大火災により大きな損害を受けたものの、より強固なものへと再建されました。その後16世紀頃には大都市となり、多くの歴史的建造物も建てられたのです。
中世ヨーロッパ文明を今に残す特別な存在であるとして、1983年ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
観光のポイント
時計塔
ベルン旧市街に位置する時計塔は、街を囲む外壁の西門として造られ1190年から1250年まで使われました。しかし1405年の大火災により基礎部分以外が焼失。1530年にぜんまい式時計がかけられ、時計塔となりました。
四角い尖塔を持ち、天動説を元にした太陽の位置や月の満ち欠け、曜日、日付を伝えるカラフルな天文時計や、道化師の鐘と共に子熊が楽器演奏や踊りをするからくり時計、毎時間鐘を鳴らす「鐘撞き男」など、ユニークな仕掛けが楽しめます。地元の言葉でツイットグロックタームと呼ばれ親しまれています。
ベルン大聖堂(聖ヴィセンテ大聖堂)
ベルンの街は1405年に大火災に見舞われましたが、復興の象徴として建てられたのがベルン大聖堂(聖ヴィセンテ大聖堂)でした。ベルン大聖堂は、アーレ川のほとりの小さな礼拝堂があった場所に1421年、工事が着工され、工事の中断や宗教改革による破壊を経て完成しました。かかった期間は、なんと470年もの長い歳月です。
後期ゴシック様式で造られ、尖塔は100mもあることから、スイスで一番の高さを誇る街のシンボルです。大聖堂入り口には彫刻家エアハルト・キュングにより作られた234体の彫刻を用いた「最後の審判」があるほか、屋内にはステンドグラスやパイプオルガンな見どころが多く、大聖堂の尖塔には登ることもできます。
噴水
ベルンの街には噴水が数多く存在し、その数は100ヵ所を超えます。ベルン旧市街にも11の噴水があり、ルネサンス様式で主に16世紀に造られました。鬼が子供を食べている姿の「子食い鬼の噴水」や、ベルンの町を造ったツェーリンゲンが2本の剣を持っている「ツェーリンゲンの噴水」、「モーゼの噴水」など独自性もあり、多くの観光客が賑わっています。
国名 / エリア | スイス / ヨーロッパ |
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登録年 | 1983年 |
登録基準 | 文化遺産 (iii) |
備考 | ■関連サイト Old City of Berne(UNESCO) |