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概要
ンゴロンゴロ保全地域は、タンザニアの北部に位置する自然保護地区で、巨大なクレーターからなる世界遺産です。数多くの野生動物が生息し、歴史深き遊牧民「マサイ族」が暮らしています。
ンゴンゴロのクレーターは、300万年前の噴火でできたカルデラ(火山活動によって凹地状に窪んだ土地)で直径約18㎞にもわたります。またその深さは700mまでに達し、自然環境の変化の壮大さを実感させられます。
ンゴロンゴロのクレーター内では、1つの生態系が成り立っており、約25000頭もの野生動物が暮らしています。彼らは基本的にクレーター内で一生を終えます。
湖や沼、森林など様々な自然環境にも恵まれており、まさにクレーター内に形成された「天然の動物園」です。
内部はサバナ気候で乾季にはほとんど雨が降らない半砂漠地帯となっています。
しかし雨季になれば草花が生え、クレーター内は彩りが広がります。また外縁の山から流れる水のおかげで、湖や沼が干上がることはありません。
このサバナ地域では、川の浸食を受けて深い谷が刻まれることが多くあり、その代表例がオルドヴァイ渓谷です。クレーター西部に位置しており、大地が100m近くえぐられ地層がむき出しになっています。そのため化石が多く見つかっており、考古学研究にも大きく貢献しています。
更に人類史においても欠かせない場所であり、最古の人類アウストラロピテクスをはじめ、先史人類の骨や足跡の化石、石器の発見がされています。
ンゴロンゴロと人類の歴史
この地域は数百万年前から人類が住んでいたとされる土地で、人類と野生動物共存の理想郷とも言われています。その中でもオルドヴァイ渓谷では約400万年前までの人類の化石や生活の跡が発見されており、まさに人類の故郷なのです。
具体的には180万年前に生存していたとされるジンジャントロプスや、ジンジャトロプスから進化を遂げたホモハビリス、当時の人々が使用していたと思われる大量の打製石器が挙げられます。またオルドヴァイ渓谷周辺でも多くの化石が発見され、特にアウストラロピテクスの足跡は、人類が直立二足歩行をしていたという証拠にもなっています。
そんな歴史深い地域で現在も暮らしているマサイ族。彼らがこの土地にやってきたのは1800年代頃です。遊牧民である彼らは伝統的に定住や農耕を好まず、牛を生活の糧とし生活してきました。しかし、1951年にセレンゲディ国立公園が設立されるとマサイ族は土地を追われることとなりました。そんなマサイ族の権利を守るために作られたのが、ンゴロンゴロ保護地域でした。 マサイ族は誇り高い戦士的要素があり、男性はかつて狩りと牧畜以外行いませんでした。成人男性にはライオン狩りが義務づけられ、槍と盾のみで立ち向かいました。一方で女性は美を競っており、豪華な装飾やボディペインティング、衣装が特徴です。
見どころ
間近で見られる野生動物
天然の動物園と言われるように、数多くの野生動物の生活風景を見ることができます。
マサイ族の生活風景
歴史ある遊牧民「マサイ族」の生活を垣間見ることができます。
国名 / エリア | アフリカ / タンザニア |
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登録年 | 1979年 / 拡張年 2010年 |
登録基準 | 複合遺産 (iv) (vii) (viii) (ix) (x) |
備考 | ■関連サイト Ngorongoro Conservation Area(UNESCO) |