「マルタの巨石神殿群」は、地中海に浮かぶマルタ島とゴゾ島に点在する30を超える先史時代の石造建築物のうち、6つの巨石神殿により構成されています。これらの神殿は、紀元前3600年から前2600年頃にかけて建設されたとされ、世界で最も古い自立式の石造建築の一つとして評価されています。その特徴的な構造と装飾の多様性は、当時の卓越した建築技術と芸術性を物語っています。
神殿の建設者たちは、地元で調達できる石材を熟知し、それを巧みに使いこなしていました。外壁には硬いサンゴ礁石灰岩が使用され、内部の保護された空間や装飾には柔らかいグロビジェリーナ石灰岩が採用されました。神殿内部には、渦巻き模様や木、植物、さまざまな動物が描かれた浮き彫りの装飾が施されており、その精緻な職人技が際立っています。さらに、神殿の配置や出土した遺物からは、これらの建物が高度に組織化された社会の重要な儀式的中心であったことがうかがえます。
国名 / エリア | マルタ / ヨーロッパ |
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登録年 | 1980 |
登録基準 | 文化遺産 (iv) |
備考 | Megalithic Temples of Malta(UNESCO) |