チャコ文化

アメリカ合衆国南西部、ニューメキシコ州北西部に位置するチャコ文化は、9世紀中頃から13世紀初頭にかけて栄えた、先コロンブス期（ヨーロッパ人到来以前）における高度な文明の遺跡群です。この文化は、当時のアメリカ南西部一帯に大きな影響を与えました。

遺跡群には、「グレート・ハウス」と呼ばれる多層階の大規模住居や、儀式・公共の場として機能した巨大建造物など、建築学的・工学的に優れた構造物が数多く残されています。これらの建築は、過酷な乾燥気候の環境下で緻密な計画と高度な技術に基づいて築かれたものであり、チャコ文化が高度に組織化された社会構造と宗教的・経済的な中心機能を有していたことを今に伝えています。