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ブルゴス大聖堂の概要
ブルゴス大聖堂は、スペイン北部のブルゴスにある大聖堂で、サンタ・マリア・デ・ブルゴス大聖堂とも呼ばれています。
名前の通り聖母マリアに捧げられた大聖堂。ゴシック建築の最高傑作と言われ、セビリア大聖堂、トレド大聖堂とともにスペイン三大カテドラルの一つです。スペインで唯一建築物のみが単独で世界遺産に指定されている建築物で、1984年に世界文化遺産に登録されました。
歴史
ブルゴス大聖堂がある「ブルゴス」は、中世のレオン王国とカスティーリャ王国の中心地であり、のちにカスティーリャ王国の首都となった場所です。カスティーリャ王のフェルナンド3世とブルゴス司教のマウリシオが、フランス人建築家に大聖堂の建設を命じ1221年7月20日に建設が始まりました。
しかし建設中である1339年から1453年に、イギリスとフランスの領土をめぐる百年戦争が起こります。それと同時に疫病ペスト(黒死病)が大流行したことによって、建設が中断。建設開始から約350年の時を経て1576年に完成を迎えました。
建設開始時はフランス人の建築家によってフランスゴシック様式で建設が進められてきましたが、
15世紀にはドイツ人の建築家ファン・デ・コロニアによって、フランボワイヤン様式が取り入れられます。フランボワイヤン様式とは、火炎のような形状であり激しい印象を与えるデザインで、窓の石細工が炎のように曲がっていることとなどが由来であると言われています。
大聖堂にはブルゴスの英雄ロドリゴ・ディアス・デ・ビバール(通称:エル・シッド)と、その妻ドニャ・ヒメナが眠っており、大聖堂全体が墓所となっています。エル・シッドはブルゴス郊外のビバールで生まれ、レコンキスタの英雄と称えられている人物です。
ブルゴス大聖堂の見どころ
ポルタダ・デ・ラ・コロネリア
北交差廊の入り口の上部には、12使徒像の並ぶポルタダ・デ・ラ・コロネリア(別名:使徒の扉)があります。これは1250年ごろの作品とされ、「最後の審判」を描いた彫刻です。中央にイエス・キリスト、左側に聖母マリア、右側にヨハネ、その周りは尖塔アーチ型になっており、天使達が彫られています。
バラ窓
バラ窓はサンタマリア広場に面している大聖堂の正面にある「王家の扉」の上にあり、直径6mの大きさです。1235年に完成しステンドガラスは完成当時のものが残っています。ここから差し込む光が大聖堂の美しさをより一層引き立たせます。
23の礼拝堂
大聖堂の中には23の礼拝堂があります。この中でも特に有名なのが「元帥(コンでスタブレ)の礼拝堂」。1482年にシモン・デ・コロニアが建築を始め、16世紀に完成しました。ここには大理石の彫刻が飾られています。
彫刻のモデルは、カスティーリャ王国の元帥ペドロ・フェルナンデス・デ・ベラスコとその妻メンシア・デ・メンドーサで、ベラスコ元帥を記念して造られたものだと言われています。ベラスコ元帥は1492年のレコンキスタで、イスラム最後の拠点「グラナダ」を奪還した人物です。
この礼拝堂にはレオナルド・ダ・ヴィンチの弟子らによって描かれた「マグダラのマリア」の絵も展示されています。
国名 / エリア | スペイン / ヨーロッパ |
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登録年 | 1984年 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iv) (vi) |
備考 | ■関連サイト Burgos Cathedral(UNESCO) |
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