シアン・カアン

Sian Ka'an

シアン・カアン

概要

シアン・カアン
Photo by Lara Danielle, on Flickr

シアン・カアンは豊かな動植物と自然保護区に指定された素晴らしい地形の数々、そしてマヤ文明の爪痕を色濃く残す世界遺産です。シアン・カアンはマヤ人の言葉で「天空の生まれた場所」を意味しています。

場所はメキシコのキンタナ・ロー州に位置し、1867年に世界遺産に登録されました。同時に自然保護区にも指定され、貴重な自然を守る試みがなされています。またメキシコで最初の世界自然遺産に登録された歴史ある場所でもあり、広さは東京都の2.5倍にも上ります。

ここシアン・カアンでは、湿地帯やマングローブ、サンゴ礁が並び、豊かな植物群と300種を超える鳥類や動物を観察することができます。

熱帯雨林帯にはベアードバク、オジロジカ、クモザルなどが生息し、潟湖にはオオフラミンゴ、ベニヘラサギ、ブラウンペリカン。海域にはアメリカグンカンドリ、アメリカマナティなどが見られます。もし運が良ければ、密林の王者ジャガーや幻の鳥「ケツァル」と出会える可能性もあります。

また数千年前はマヤ族の居住地であったこともあり、マヤ文明時代の遺跡からは彼らの生活の痕跡が残っていますこれらの遺跡からは、高度な天文学や独自の文化を持った未だに謎の多い文明を知ることもできます。

このようにシアン・カアンは貴重な大自然とマヤ文明の歴史を肌身で感じることができる世界遺産となっています。

シアン・カアンの歴史

シアン・カアン
Photo by Dennis Jarvis, on Flickr

シアン・カアンの広大な地域に広がるサンゴ礁、熱帯雨林、ラグーンは時代の中で自然が生み出した遺産でありますが、同時にマヤ文明と密接な関わりがあります。

独自の文化で発展した未だ謎の多いマヤ文明。マヤ文明とは紀元前から16世紀までユカタン半島を中心に繁栄した文明です。当時彼らはこのシアン・カアンの絶景に惹かれ、この地に留まりました。

緑色の綺麗なマングローブは、マヤ人が貿易のために切り開いたもので、当時は水路として活用されていました。またムイル遺跡のように、当時のマヤ文明の生活を物語る建築物がジャングルの中に残されています。

セノーテはマヤ人が聖なる泉として崇め、雨乞いの儀式などで使用されていました。その際の生贄となった人々の人骨らしきものも発見されています。またその先を進むと、壺のようなマヤの人々が物も発見されました。現在も少数のマヤ系先住民が生活しています。

世界遺産登録までの経緯

豊かな植物群と鳥類、貴重種を持続させ、未来につないでいくこと。そしてマヤ文明を知る重要な手がかりにもなる要素が多数存在することから、世界遺産に登録されました。

必見ポイント

セノーテ

セノーテ

セノーテとは、石灰岩でできたユカタン半島の地下を流れる水の溜まった池のことで、水中には洞窟が広がっています。3,000カ所にも散りばめられた池は水中の洞窟で全て繋がっていますが、その全貌は明らかになっていません。

古代のマヤの人々はこの泉を聖なる泉と呼び、その奥深くには神の世界があると伝えられてきました。その神秘的雰囲気は、この世の物とは思えないような息を飲む美しさです。

マヤ遺跡の「ムイル」

マヤ遺跡の「ムイル」
Photo by Arian Zwegers, on Flickr

マヤ文明の生活の痕跡を感じさせる遺跡の1つで、神殿の上には鳥の壁画が描かれていることが特徴です。

他の遺跡と比べると小規模ではありますが、非常に迫力があります。

国名 / エリア アメリカ大陸 / メキシコ
登録年 1987
登録基準 自然遺産 (vii) (x)
備考 ■関連サイト
Sian Ka'an(UNESCO)

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