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北海道・北東北の縄文遺跡群の概要
北海道・北東北の縄文遺跡群は、日本の北海道と、青森県、岩手県、秋田県に所在する縄文時代の様子や文化を残す遺跡群です。そこには、土器を用いた定住生活が始まった約15000年前から一万年以上の間、採集、漁労、狩猟により生活した跡があります。
北海道・北東北の縄文遺跡群は、稲作農業が始まる前の長期間にわたる定住や、豊かな精神性が育まれていた貴重な遺跡として、2021年、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録の経緯
北海道・北東北の縄文遺跡群が存在する地域は、広葉樹の森林や湖沼、河川など水量も豊富で資源に恵まれていたため、食料の確保が比較的安定していました。さらに、山地、丘陵、平地、低地など地形も様々であった上に、環縄文時代以前は寒冷な気候が続いていましたが、縄文時代は少し温暖化してきたことから、環境に対応しながら継続した生活を行うことが出来るようになったのです。
その頃には、黒褐色で厚手の土器に縄で模様をつけた土器を使用し始めた他、森や河川の資源を手に入れるために石鏃(せきぞく)や石匙(いしさじ)などの道具や技術も発達していきました。精神文化も構築し、墓地や祭祀、環状列石、土偶などをつくり、祖先や自然への崇拝、豊穣の祈りなども行うようになりました。
構成資産
北海道・北東北の縄文遺跡群構成資産は、定住時期を開始、発展、成熟と大きく分けたステージを、さらに細かく分けた各ステージの遺跡から構成されており、構造の変遷などから連続性のある遺跡とされます。
構成資産である17の遺跡は、北海道には、大船遺跡、垣ノ島遺跡、キウス周堤墓群、北黄金(きたこがね)貝塚、入江貝塚、高砂貝塚が所在し、青森県には、三内(さんない)丸山遺跡、小牧野遺跡、大森勝山遺跡、是川(これかわ)石器時代遺跡、田古屋野(たごやの)貝塚、亀ヶ岡石器時代遺跡、大平山元(おおだいやまもと)遺跡、二ッ森貝塚が所在しています。
岩手県には御所野(ごしょの)遺跡、秋田県には大湯(おおゆ)環状列石、伊勢堂岳(いせどうたい)遺跡が所在しています。 北海道・北東北の縄文遺跡群は、文化的伝統又は文明の存在を伝承する稀有な存在であり、一つの文化を特徴づける伝統的な居住形態、土地利用形態をもつ顕著な見本となっています。また、人類と環境のふれあいを代表する顕著な見本でもあることから、2021年ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
観光のポイント
三内丸山遺跡
三内丸山遺跡は、青森県青森市に所在する約5900年前から4200年前の縄文時代の集落遺跡です。内湾や河川が近い海岸段丘上にあり、落葉広葉樹の森が背後に広がる、資源の豊富な土地で、長期間にわたり定住してきた跡が残されています。
竪穴建物や、埋設土器、道路、多くの土器や石器、食生活をあらわす魚の骨やウロコ、動物の骨、クリやクルミが出土しています。他の地域からのヒスイや黒曜石も出土しており、交易の様子もうかがえます。
出土した土偶の数は、日本一多く、まつりの道具も出土している事から、祭祀や儀礼が継続的に行われていたことが分かります。定住発展期後半の生活を今に伝える大規模集落です。
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国名 / エリア | アジア / 日本 |
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登録年 | 2021 |
登録基準 | 文化遺産 (iii) (v) |
備考 | ■関連サイト Jomon Prehistoric Sites in Northern Japan(UNESCO) |