タンザニア中部、マサイ断崖の東斜面に広がる「コンドア・ロック‐アート遺跡群」は、150〜450か所に及ぶ岩陰や岩壁に、二千年以上にわたって描かれた絵画が残る貴重な地域です。断崖がつくる険しい地形は自然の画布となり、赤や白などの顔料で表された動物や人びとの姿が、乾いた大地の風景と調和して独特の存在感を放っています。
絵画には南部・中央アフリカの岩絵と通じる要素が見られる一方、縞状の独特の画風や家畜の希少な描写など、この地で育まれた特徴が際立っています。これらは、古くから継承されてきた生活文化を読み解くうえで欠かせない資料として高く評価されています。また、一部の岩陰は今も雨乞いや治癒などの儀礼に使われ、古代から続く精神的伝統が現在まで息づいている点も重要です。
| 国名 / エリア | アフリカ / タンザニア |
|---|---|
| 登録年 | 2006 |
| 登録基準 | 文化遺産 (iii) (vi) |
| 備考 | ■関連サイト Kondoa Rock-Art Sites(UNESCO) |
