「リオデジャネイロ:山と海の間のカリオッカの景観」は、ブラジルのリオデジャネイロにある、コルコバードの丘やチジュカ国立公園等などの景観群です。「カリオッカ」を意味する「住民」により生みだされた文化的景観と、自然の織りなす融合により美しい景観群が創り上げられています。文芸や音楽の世界においても創造性を刺激するものとして、2012年、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
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世界遺産登録の経緯
「リオデジャネイロ:山と海の間のカリオッカの景観」は、南米ブラジルの観光都市であるリオデジャネイロに所在します。チジュカ国立公園やコパカバーナ海岸を含むグアナバラ湾までを構成資産としており、その中には、標高1000m前後の熱帯雨林から大西洋に至るまでの自然も含まれています。
チジュカ国立公園は1961年に国立公園に設定された公園です。コーヒーのプランテーションのため森林伐採を行ったことで水不足となり、水害にも悩まされるようになりました。19世紀後半に政府主導で再生林に取り組み始めたところ、大西洋岸生態系は元に戻り、世界最大級の都市森林が成功し再生林となったのです。「都市公園の再生林において、世界で最も成功した例の一つ」ともいわれます。
グアナバラ湾は、大西洋に面している、南北31km、東西28kmの、ブラジルでは2番目に広い湾です。1502年にポルトガル人により入植された際に、湾口が小さかったことから、ポルトガル語で「一月の川」を意味する「リオデジャネイロ」と呼ばれるようになりました。湾の西側にはポン・ヂ・アスカールといわれる奇石群があり、沿岸にある高級ホテルや大通りが面するコバカバーナ海岸との調和された風景が評価されています。
「カリオッカ」とは、リオデジャネイロの住民や出身者を意味します。「リオデジャネイロ:山と海の間のカリオッカの景観」が自然と人の手による文化の融合であり、その点が評価されていることが分かります。
カリオッカの象徴として、標高710mものコルコバートの丘に建つキリスト像があります。8mの台座に両手を広げた、高さ30mもの巨大なキリストが立つ像で、中は礼拝堂になっています。1922年から1931年にかけて、ブラジル独立100周年を記念するものとして造られました。街を見下ろすキリスト像のまなざしがなんとも温かい、街のランドマーク的存在です。
「リオデジャネイロ:山と海の間のカリオッカの景観」は、文化を代表する伝統的集落、陸上、海上利用の際立った例であり、リオデジャネイロの景観が芸術的・文化的作品に関連しているものとして、文化的景観としてはブラジルで初めて、2012年ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
観光のポイント
コルコバードのキリスト像
コルコバードのキリスト像は、ブラジルのリオデジャネイロのコルコバードの丘にある巨大なキリストの像。1922年のブラジル独立100周年を記念して、建設されました。高さ39.6m(その内、台座の高さが9.5m)、左右30mあり、中は150人程が入れる礼拝堂になっています。
リオデジャネイロ植物園
リオデジャネイロ植物園はコルコバード丘の麓にあり、19世紀初頭にポルトガル王ジョアン6世によって設立されました。
広大な敷地は広さ54haもあり、その中にはブラジル原生植物や、海外の植物が約6500種植えられています。温室も多数あるほか、多くの植物学の文献も保管されています。植物園の入り口まではヤシの木の長い並木道が続いており、中には森林保護区の部分と庭園の部分から成りたちます。
国名 / エリア | アメリカ大陸 / ブラジル |
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登録年 | 2012 |
登録基準 | 文化遺産 (v) (vi) |
備考 | ■関連サイト Rio de Janeiro: Carioca Landscapes between the Mountain and the Sea(UNESCO) |