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概要
ヴェローナ市街は、ローマ時代の都市概念を反映していると言われるイタリアの世界遺産で、ロミオとジュリエットの舞台としても知られています。
ヴェローナ市はイタリア北東部、アディジェ川沿い、アルプス山脈のレッシーニ山の麓に位置し、ヴェネト州の州都ヴェネツィアから西へ105kmの距離にあります。市から西へ約30㎞にはイタリア最大の湖ガルダ湖があります。
イタリア北部の重要な大都市ミラノとヴェネツィアの間に立地するため、両都市から日帰りで訪れる観光者も多く、観光都市として知名度が高いです。
広さは、城壁に囲まれている旧市街地(452.9ha)と城壁の外にさらに緩衝地帯(325.4ha)を合わせて、合計778ha の面積を有します。
ローマ時代の名残がある地域として、当時の公共広場として使用されていたエルベ広場やダンテ像があるシニョーリ広場、ヴェローナを支配していたスカラ家が建てたヴェッキオ城などが挙げられます。
街を歩いていると所々にローマ時代の遺跡が見受けられ、正に街全体がローマの歴史を物語っている地域なのです。
歴史
4本の重要なローマ街道が通る交通要衝であり、イタリアの北部と東部の玄関口として栄えました。
ヴェローナは古代の部族によって建設され、紀元前1世紀にローマ帝国の植民地となってから、その重要性が急速に高まりました。
以降、オストロゴト・テオドリック 1 世(5世紀)、ロンバルド、シャルルマーニュ(774 年)に占領され、支配下に置かれました。
12世紀初頭、ゲルフとギベリーンの戦争に苦しみましたが、やがて独立しました。
スカリガー家(ロミオとジュリエットの時代)の支配下、そして追放された詩人ダンテを保護したカングランデ1世の下で繁栄しました。
1405年にヴェネツィア領になり、1797年からオーストリア帝国に併合され、1866年にイタリア王国の一部になりました。
アディジェ川の湾曲に囲まれたローマ時代に築かれた市街地は、スカリジャーズによって広い範囲を囲む城壁は再建されましたが、都市の範囲は20世紀まで安定して維持されました。
構成資産
アレーナ・ディ・ヴェローナ(円形闘技場)
紀元前30年から建設が始まり、今まで1990年の歴史をもっています。その歴史は長く、ローマのコロッセオよりも前に建てられました。
高さ31m、長径140mと短径100mの楕円形で3万席の収容力を持ち、現在も使用されています。
スカラ家の廟
当時ヴェローナを支配していたスカラ家一族が眠るゴシック様式の霊廟です。スカラ家の絶大な権力が伺えます。
ピエトラ橋
ローマ時代に建設され2000年以上の歳月を経て生き残ってきました。1945年にドイツ軍に爆破されましたが、川に残っていた石とレンガを回収して復元されています。
下を流れる川はアディジェ川です。
国名 / エリア | イタリア / ヨーロッパ |
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登録年 | 2000 |
登録基準 | 文化遺産 (ii) (iv) |
備考 | ■関連サイト City of Verona(UNESCO) |