メキシコ南部、オアハカ中部渓谷に位置する「ヤグルとミトラの先史時代洞窟」は、狩猟採集社会から定住農耕社会への移行を物語る貴重な遺跡群です。中央アメリカ地域における、人類社会の大きな転換点を明確に示す証拠として評価されています。
複数の洞窟や岩陰からなる広大な文化的景観の中でも、ギラ・ナクィッツ洞窟は特に重要で、ヒョウタン、豆類、カボチャ、そして現存最古のトウモロコシの穂といった、極めて良好に保存された植物の遺物が発見されています。また、クエバ・ブランカ洞窟やゲオ・シー遺跡からは、更新世の動物の痕跡や石器に加え、果実や小動物といった夏の豊富な自然資源を季節的に利用していたことを示す証拠が見つかっています。
国名 / エリア | アメリカ大陸 / メキシコ |
---|---|
登録年 | 2010 |
登録基準 | 文化遺産 (iii) |
備考 | Prehistoric Caves of Yagul and Mitla in the Central Valley of Oaxaca(UNESCO) |